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ニッポンのジレンマ
三浦 瑠麗


私国際政治を研究してるんでね。去年2017年というのは核実験ミサイル実験が北朝鮮によってもう挑発的に行われてきた。その間に日本社会が変化した重要な出来事があって。つまり…私の娘は保育園にまだ通ってるんですけど子供たちがトイレに行く前に整列する時に「ミサイル!ミサイル!」とか「キム・ジョンウン!」とか言って走り回るんですよ。だから私の幼稚園の時はそうじゃなかったんだけど彼らの時代というのは確実にJアラートとかその北朝鮮とかっていう話がバンバン耳に入ってくる時代なんですね。


このままですね日本政府が制裁万能論つまり制裁をしておけばきつくすればきっと核を放棄するんだよという。これはベストシナリオですね。ベストケースシナリオを国民に信じさせてどっかでそうじゃないぞってみんなが気付いた時にどうなるか。まあ北朝鮮核放棄しませんわね。そうすると北朝鮮が核保有国化してそれに対峙してるという事実に耐えられなくなってくる。


同盟においてアメリカから見捨てられる不安が生じる。不安がだんだん大きくなってくると今までの信頼関係何だったっていうふうな…逆にアメリカを嫌うような勢力が政界に増え始める。そもそも我々は自立して核を持つべきなんだという議論があらゆる政党から大した思想の精緻化なしに出てくるようになる。その時に自分たちの置かれてる状況に全く…ヨーロッパが共感してくれない。あるいは東南アジアの強きにつく諸国、まあ小国ですからしょうがないんですけど、強きにつく東南アジア諸国に恨みを抱く。


そしてアメリカの不誠実さに信頼を失われてくると、だんだん右も左も似たように孤立主義になってくんですね。そうすると孤立主義になってくと何が起きるか。とりあえず新しいもの外国のもの入ってきてほしくない。自分たちは防衛をマックス強化するためにお金はジャンジャン使う。そうすると教育にも使えないし社会福祉にもあんまりねこれ以上使えなくなってくる。防衛費増大で教育・社会福祉予算が減る中で例えば入ってくる脅威って事で言うと本当は脅威じゃないのに自分たちが東南アジアに進出していた時には良かったのに海外の企業が日本の企業をM&Aで買う事自体ももう非常に国家的脅威だと思うようになってくる。


その次に中国人がスパイを放っているというふうな言説が飛び交うようになる。その時に愛国心であるとか中国人的オリジンを持つ事そのものがその人に対して疑われる根拠になって。今ムスリムアメリカで行われてるような差別というのを受けるような可能性が出てくる。中国人差別が起きる可能性が出てくる。「あいつはほんとは中国人じゃないか」みたいな言説は今でも飛び交っていますけどそれがわりとマスの行為になっていってそうした時に日本性とは何なのか。これはもう全てに…。


日本性とは何かを見極める能力我々失ってるわけですけどもわりと何千年も昔から失ってるわけだけどもそれがだんだん純化されてくる。そうすると甲子園の野球を見た時に清々としたあの少年たちはいいじゃないかという事なって日本の美風にかえるためにこれからは高校生はみんな男の子は丸刈り坊主というふうな声が出てくるようになる。今私たちはそれを笑ってるけれども笑えない時代がやって来るって事ですね。


そうするとどんどん生きづらさが増しまさに多様性が否定されそして我々は重い軍事費の負担に耐えながらしかも同盟の力も借りずにですね孤立主義的で大して平和志向もない左翼と孤立主義的で外国人憎悪症に走る右翼との間に挟まれて…普通の生活が送りづらくなるということですね。うん。





(三浦)我々は日本語を使いつつも日本語の独自性も生かしつつも英語的思考方法ドイツ語的思考方法って全部専門家研究者がいてそれが一つ一つあってその中に日本で交流しているから正直なんか柔なね西洋の議論なんかよりよっぽど深いとこまでいってるわけです。我々の中で文化融合してきたわけです。しかも独自性を残しつつ。


だけれども中国っていうのはそういう態度をとりませんよね。覇権国家になるつもりなわけだから。中国がその態度をとってくれなかった時に我々がたまたま島国で中国の言論も輸入してあげたとしてもそれは日本の中でしか残らないので。


三浦さんからすると中国のエリートと日本のその辺の町のおばちゃんどっちが遠い?


それは圧倒的に中国が遠いですよ。それはなぜかっていうと彼らはまず原則とか何かを打ち出すんですね。研究一つするにしても。原則か何かを打ち出したあとにそれの目標に向かって何をやるべきかって論じるんですよ。


日本人というのは街角のおばちゃんに至るまで経験主義的に物事を積み上げてもちろん仮説全然間違ってる場合あるんですけど一応積み上げ式になっているので。そういう大原則っていうのはやっぱり我々からするとねものすごい異質な文化ですよこれは。





(大澤)
だからそれに当てはめる気はないんだけど一応何か前提をお話しするとほら1927年だから昭和2年?改元したまさに今ホットな話題として元号が変わった直後に芥川龍之介が「ぼんやりとした不安を抱えてるんだ僕は」っていう遺書を残して…遺書っていうか友達に手紙を送ってその直後自殺するんですよね。


芥川龍之介が抱えてたぼんやりした不安って何なんだろうってずっと学者の間で議論になっていてでそれを議論する時に多分まあさっき言った2つの不安ってのがあって一個は社会的な不安。つまり明治大正ときて昭和に変わる時に社会が流動性を増してどんどん大衆社会になっていく中でエリートである自分がどういう位置になるのかっていうのが分かんなくなっていくという不安。他方で存在論的な不安っていうのは昔からあるようなこのあと何年生きられるか分からないし自分が何ができるかどうか分かんないとかっていう哲学的な不安に近いものでで恐らくそれはどっちかっていうと後者の方なんですよね。でそれって多分いろんな人が解決策を本に書いてくれてたりするのでそれを読むところから始めてみるっていいんじゃないかなと思う。


僕は時間が解決すると思っててそれを読んでるうちに時間がたってって30歳とか40歳になんじゃねえのというのが僕の解決。でもポイントは自殺するというのは結構危なくてその1903…ちょっとごめんね1903年に華厳の滝ってところに藤村操っていう夏目漱石が一高で英語教えてる時のクラスメートっていうか学生が投身自殺するんですよ。でそれもやっぱりぼんやりした不安を抱えていて自殺すんだけど「煩悶青年」とかって明治キーワードあってでそれが社会的な話題になって煩悶青年自殺ブームが起こるんですよ。


でさっきの話にグッと戻すと結局だから結論として本読んでても行き詰まって自殺ってのは僕はアウトな選択肢でそうじゃなくて時間が解決するからいずれと思いながらダラダラ生きていく。あんまりこう考え過ぎないっていうのがいいんじゃないかなというのが僕が20代30代の時に周りの友達とか見てて思った事なんですよね。


(三浦)
私それに付け加えて言うと要はさその18とかから22の間って大体大学生だったりあるいは最初のキャリアに入った人だったりすると選択肢ってすごい無限に見えてでだから自分の前に広がってこう選択肢があって…。


それがだんだんだんだんこうなってくわけじゃん。自分の選択によって。選択する事の裏返しとして自分は意識的に選択したりあるいはどっか落ちちゃったりとかっていう…結果として…取れる選択肢が少なくなってくると逆に安心していく。でも逆に言うとその終身雇用の社会ではそれしか選択肢なくなったって事でこれからずっと会社員のここの生活にコミットすんのかっていう不安を抱えてもおかしくないんだけどしばらくそれでもつんですよ。


で多分中年ぐらいになってくるともう一回不安が訪れて俺何やってきたんだろうってこの10年15年働いてきてって言って周りの出世競争なんかもあってまた別の不安出てくるんだけどだから結局その希望と不安がこう裏返しに存在してる感じっていうのはまだ選択肢があまりに膨大で若いっていう事だからいい事なんじゃないでしょうか。






(河崎)
僕はその実験とかに対して結構反対の意見で世の中は曖昧だし決まった事は一つもないんですよね。諸行は無常で一切同じ事はないんです。


変わる事が前提の社会であるというのがこれからの時代だと思っていてそもそも何だろう変わらないという前提でみんな思ってると。経済は成長し続けると。国はず〜っとこのままだと。昭和思想…は永遠に続くと。変わらない・定まってる安定しているだろうという前提でみんな考えている。


だけれどそうじゃないんじゃないかと。AIに仕事は全部奪われて何もないんじゃないかと。日本ってどんどん衰退していってしまうのか。最初に定まった事と違う事が起きてるから不安だと思うんですね。


あっなので最初自分何か手を挙げなかったのは…黄色のボールを拾いたかったから赤と青で手挙げなかったんですけどこれからの時代に必要なのは黄色のボールを取りにいく事。ルールにないことをやること。だってルールって誰かが勝手に定めた事で別に黄色を取っちゃいけないなんて事は絶対ないんですよね。だって取っていいじゃんあるんだから。


で更に言うと…ルールを作ったっていいわけです。なので不安がどうだって言ってるのは正解の社会正解をどんどん用意してあげる事が不安を取り除く事ではなくて自分で選んでいいんだと自分が答えを作っていいんだという事を得ていった方が俺は不安を取り除けるんです。